イタリアの町並み紹介と自転車事情 Vol.05

投稿者 on 11月 14, 2009

■イタリアの町並み紹介と自転車事情 Vol.05

サイクルハンターイタリア買取チームから、新鮮なイタリア事情をお届けします。

今回は北部イタリアにあるMASIの店舗(工房)を訪問して参りました。

店舗

MASI店舗

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▽MASIの歴史

今やイタリアのサイクルレースの世界では伝説の職人となっているFaliero Masi氏が1949年にミラノのVigorelli 自転車競技場の観客席の下に工房(店舗)を創設。

一人一人の選手の体型や要望に合わせてその殆どを手作りで作り上げたその技術は、まるで貴金属職人の様だと例えられたことで有名です。

その彼が作り上げた自転車を使用しチャンピオンになった選手は数多く、代表的な選手としてはFausto Coppi, Fiorenzo Magni, Rik Van Looy, Felice Gimondi, Eddy Merckxなどが挙げられます。

ALBERTO MASI氏

ALBERTO MASI 氏

そのFaliero氏が亡くなった(2000年1月4日没)後は、息子のAlberto Masi氏が引き継ぎ現在に至っています。

Alberto氏は8歳から父Faliero氏の元で仕事を覚え、16歳の時にはGiro d’ItaliaのFausto Coppiのメカニックとしてデビューを果たし、その後1982年には世界で初めて従来よりも太く楕円形のチューブを用いたvolumetricaを作り上げました。

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ここからは写真を中心にご覧いただきましょう。

▽店内の様子

店内

店内

完成車やホイールなど、色々なものが置かれています。

店内

店内

店内に入ってまず目に入ったのはこれです。

壁の至るところに飾られた写真がその歴史を感じさせます。

店内

店内

有名選手の写真はもちろんのこと、娘さんの小さな頃の写真やお孫さんの写真もあり、ほのぼのとした雰囲気もあります。

店内

店内

tennai4

店内

完成車も数台、壁にかけられていました。

作業台

作業台

工具

工具

年季の入った作業台や工具も歴史を感じさせるものばかりです。

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続いてAlberto氏にご紹介いただいた自転車をご覧ください。

▽MASI ULTIMATE GENERATION

MASI ULTIMATE GENERATION

MASI ULTIMATE GENERATION

MASI最新型の自転車ULTIMATE GENERATION。

先の写真でAlberto氏が手にしている自転車です。

完成車は約10,000ユーロ(日本円換算で約133万円)です。

MASI ULTIMATE GENERATION 2

MASI ULTIMATE GENERATION 3

チューブはCOLUMBUS社の超軽量鋼を使用し、チューブ代だけで3800ユーロ(日本円換算で約50万円)とのことです。

MASI ULTIMATE GENERATION 4

自転車の総重量は7Kg未満というので驚きです。

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▽MASI PRESTIGE

MASI PRESTIGE

MASI PRESTIGE

日本で最も売れているモデルがこのPRESTIGEだそうです。

PRESTIGE 2

PRESTIGE 4

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現在工房では、Alberto氏と2名の職人の計3名が働いており、年間のフレーム生産量は約300本。
昔から一緒に働いていた職人さん(3名)は全てお亡くなりになり、現在の2名は午後だけ手伝いに来てもらっているので生産量がその頃の半分に減ったとの事。
「あと数年もしたらイタリアのフレーム職人は全て居なくなるか残ってもほんの数名だけだろう」と話されるAlberto氏はどこか寂しげな表情でした。
「スポーツには沢山種類があるけど、プロの職人が一選手の事を心から理解しその選手の為に一番良いと思われる道具(自転車)を丹念に作り上げ、それはまるで恋人同士のようだけど、そんな関係が成り立っているのは、多分この自転車競技くらいじゃないかな」

▽BICI D’EPOCA

BICI D’EPOCA、イタリア語で年代物の自転車という意味です。

RIK VAN LOOY MODEL

RIK VAN LOOY MODEL

RIK VAN LOOY MODEL

1966年に先代のFaliero Masi氏がRik Van Looyの為に生産したもので、それをAlberto氏がオーバーホールし直した希少な一品です。

Net shopのebay.itで5,000ユーロ(日本円換算で約67万円)で売りに出されているようです。興味がございましたら是非ご覧下さい。(こちら)

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1950年代のビンテージ

1950年代のビンテージ

mini_VINTAGE A 2

mini_VINTAGE A 3

今回の中で一番古い型でブレーキにまだワイヤーが裸で見えている仕様になっています。(1950年代)

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1950年代 ビンテージ

1950年代 ビンテージ

mini_VINTAGE B 2

mini_VINTAGE B 3

同じ1950年代ものですが、既にブレーキ部分にはワイヤーが1本にまとめられた状態になっています。

(AもBもシフトレバーがまだハンドルバーではなく、ダウンチューブに付いています。)

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1955年のGiro d'Italiaで使用された

1955年のGiro d'Italiaで使用された

mini_VINTAGE C 2

mini_VINTAGE C 3

1955年のGiro d’Italiaで使用されたもので、競技の写真の先頭を走っているFausto Coppiが乗っているものです。

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▽手作りのパーツ

手作りパーツ

手作りパーツ

チューブを繋ぐパーツで日本からの依頼でつい最近仕上がったものらしいです。

因みにこのチューブを繋ぐパーツ3個生産するのに3時間かかったとの事でした。

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現在、工房ではAlberto氏と2名の職人の計3名が働いており、年間のフレーム生産量は約300本。

昔から一緒に働いていた職人さん(3名)は全てお亡くなりになり、現在の2名は午後だけ手伝いに来てもらっているので生産量がその頃の半分に減ってしまったらしいです。

「あと数年もしたらイタリアのフレーム職人は全て居なくなるか残ってもほんの数名だけだろう」とどこか寂しげな表情で話されるAlberto氏が印象的でした。

Alberto氏

「スポーツには沢山種類があるけど、プロの職人が一選手の事を心から理解しその選手の為に一番良いと思われる道具(自転車)を丹念に作り上げ、それはまるで恋人同士のようだけど、そんな関係が成り立っているのは、多分この自転車競技くらいじゃないかな」

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今回はここまで。

また次回レポートをお楽しみに!

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■取材協力
Alberto Masi氏

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コメント

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  1. popeye 1月 30, 2010 12:08

    はじめまして。
    私はmasi の自転車に乗ってよく旅にでるのですが、masiの素顔が見れたきがしてうれしいです。
    この自転車は、とってもデザインが気に入っています。
    これからもmasiの活躍を期待しています。

  2. admin 1月 30, 2010 12:13

    >> popeye さん
    はじめまして。サイクルハンターの佐藤 です。
    ブログ拝見いたしました!自転車旅凄いですねぇ。なんか羨ましくなっちゃいました。
    masi の自転車いいですよね!これからも作り手の方の素顔を本場イタリアからお届けできたらなと思っております。またぜひ見にいらしてくださいね。

  3. [...] 以前、お世話になったMASIのALBERTOさん(→Vol.05)を尋ねて色々とアドバイスしてもらいました。 そのなかでDETTO PIETROというお店を紹介してもらいましたので、今回はそのお店をご紹介いたします。 [...]