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イタリアの町並み紹介と自転車事情 Vol.14

投稿者 on 6月 11, 2010

■OLMO la Biciclissima 新店舗■

OLMO la Biciclissima

皆さん、こんにちは。

サイクルハンター イタリア駐在員の森です。

約2週間の日本での滞在を終え、無事にミラノに戻ってきました。
やっぱり、日本は酒も食べ物も美味しいのでついつい食べすぎ、飲みすぎになってしまいました、毎度の事ながら。
それはそうと私の日本滞在中に終わってしまったGiro d’Italiaですが、前回取材したMarino Vigna氏の予想(希望)通りイタリア人のIvan Bassoが総合優勝しましたね。よかった、よかった。
今回は以前ご紹介したOLMOのミラノ直営店の新店舗を取材してきましたので、皆さんにご紹介します。

店舗側面

本当は5月にオープン予定でしたが、イタリアらしく内装工事が大幅に遅れてオープンは6月3日になったそうです。
ミラノの空港からバスに乗って帰ってくる途中に、やたら新店舗の看板が道路沿いに立っていたのには驚かされました。
(バスが満席だったもんで、その看板の写真は撮れてません、悪しからず)
新しい店舗はミラノの中心DUOMO(ドゥォモ)から歩いて約15分の便利な場所にあり、以前この場所にはGRANCICLISMO(グラン・チクリズモ)という有名な自転車屋さんがあったそうです。
そういえば、Marino Vignaさんも引退後GRANCICLISMOで一時期働いていたらしく、その時はCINELLIの自転車を買いに沢山の日本人が訪れていたとおっしゃっていました。余談ですが。
お店は自転車屋さんとは思えないほどエレガントな内装で、床がこげ茶のフローリング、壁もモダンな白と古いレンガの組み合わせ、その上地味にならないようにパーテーションは朱赤でポイントを利かせると言う何ともイタリアらしい内装に私も嬉しくなりました。

店内

壁面に飾られたGIUSEPPE OLMO氏のパネル

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イタリアの町並み紹介と自転車事情 Vol.13

投稿者 on 5月 06, 2010

■50年前のローマオリンピック優勝者にインタビュー!■

みなさん、こんにちは。

サイクルハンター イタリア駐在員の森です。

今回は従来と違って店舗や工房ではなく人にスポットを当ててレポートしたいと思います。

以前より、現役ではなく往年の自転車選手に取材できないかと色々とリサーチしてきた結果、今から50年前に開催されたローマオリンピックの自転車競技にて金メダルを獲得、その後プロに転向、数々の輝かしい成績を残されたMarino Vigna(マリーノ・ヴィーニャ)氏にお話を聞く事ができました。

Marino Vigna氏

■Marino Vigna氏の経歴■

  • 1938年11月6日にイタリア、ミラノに生まれる。
  • 1955年から自転車競技選手として活動を始め、翌年にはロンバルディア州のロードチャンピオンとなる。
  • 1958年に団体追い抜き競技でイタリアチャンピオンとなる。
  • 1960年第17回夏季ローマオリンピックに出場、4000mt団体追い抜き競技にて金メダル獲得(団体メンバーはMarino Vigna、Luigi Arienti, Franco Testa, Mario Vallottoの4名で優勝タイム:4分30秒90)
  • 1961年にプロ転向
  • 現役引退後、1968年~1970年の3年間は当時Vittorio AdorniとEddy Mercksを擁するチーム’ Faema ‘のスポーティブ ディレクターに就任その後も数々のイタリア自転車競技団体の要職を歴任、現在に至る。

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プロでの成績

年 [所属チーム] 主な成績

  • 1961年 [Philco] Gonzagol(Italia) 3位
  • 1962年 [Philco] Milano – Mantova 2位

Vigna in 1962

  • 1963年 [Legnano] Giro d’Italia 第14ステージ(St.Vincenti – Cremona) 優勝
  • 1964年 [Gazzola] Tour de Romandie(Swiss)第2ステージ 優勝
  • Tre Valli Varesina(Italia) 優勝

Vigna in 1964(Tre Valli Varesine優勝時)

  • Tre Province(Italia) 優勝
  • 1965年 [Ignis] Trofeo Laigueglia(Italia) 優勝
  • Milano – Torino(Italia) 2位
  • 1966年 [Vittadello] Milano – Torino(Italia) 優勝
  • 1967年 [Vittadello]この年現役引退

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以下はMarino Vigna氏とのインタビュー内容です。

Marino Vigna氏

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イタリアの町並み紹介と自転車事情 Vol.12

投稿者 on 4月 29, 2010

みなさん、こんにちは。

サイクルハンター イタリア駐在員の森です。

今回はなんと!創業57年の歴史を持つ超一流ブランド、あのDE ROSA(デローザ)に取材をしてきました!

今までレポートしてきた方達には失礼な話ですが、余りにも有名なブランドの為、アポイントなんか取れないだろうと最初からあきらめていました。

ところが以前取材したDETTO PIETROのGRATICOLI氏から紹介されてアポイントゲットに成功!と言う事で以下取材内容です。

DE ROSAは1953年にUGO DE ROSA(ウーゴ・デ・ローザ)氏によってミラノ郊外のCUSANO MILANINOに設立され、その後数々の有名選手(一番有名なのはエディ・メルクスですが)にフレームを供給して今の地位を築きました。

現在はUGO氏の3人の子供達によって家業は引き継がれて現在に至っており、今回は主にDE ROSA社のマネージメントを任されている三男のCRISTIANO DE ROSA(クリスティアーノ・デ・ローザ)氏に色々とお話を聞かせて頂きました。

Cristiano De Rosa氏

現在年間のフレーム販売本数は約6,500本(全てロード用)でその内の78%がカーボン製、残りの22%でアルミ、スティール、チタンという内訳だそうです。

世界中に販売しておられますが、気になる日本は全体販売本数の20%弱にあたる1,200本を販売、アメリカ、自国イタリアと並び超優良顧客の一つなんだそうです。

CRISTIANO氏も年に2~3回は日本に行かれており、かなりの日本びいきでした。

特に日本人の印象としては、何事にもきっちりしていて、物を選ぶ時にも慎重でかなり入念に調べてから本当に気に入った物を購入する傾向があり、その結果DE ROSAの良さを十分に理解してもらえ販売本数につながっている、とおっしゃっていただきました。

現在の会社は2人の兄と他に数人の従業員で構成されており、特にフレーム生産に関わる従業員(職人)はうまく世代交代されて、比較的若い方が働かれており、今後の生産にも全く遜色ないようです。

他の会社がどんどん生産地をアジアに移行していく中でもDE ROSAはただ1つのモデル(AVANT)を除いては全て自社内での生産を継続させています。

後で詳細は記述しますが、工房内を見学させてもらった際にもフレーム生産の工程の殆どが手作業でなされており、これぞイタリア!を改めて痛感させて頂きました。

現在フレームを供給しているプロチームは以下の3つあり、

・DE ROSA- STAC PLASTIC(アイルランド)

・CARMIOORO N.G.C.(英国)

・FLY V AUSTRALIA(オーストラリア)

中でもDE ROSA-STAC PLASTICチームは5月16日から日本にて開催されるツアーオブジャパンに招待されているそうで、その活躍にご期待下さい。

(そのチームに供給している競技用自転車の写真もありますので、ご覧下さい)

チーム(DE ROSA STAC PLASTIC)供給用競技車

因みにCRISTIANO氏も日本に行くのかと尋ねたら、「5月は特に忙しくてそんなに長い期間オフィスを空けれないので、行くとしたら東京のゴールにあわせた2~3日間くらいだろうね」との事でした。

ここからは工房見学の模様をお知らせします。

今まで見てきた工房とは比較にならないほど大きな工房で(工場といった方が賢明かも)その中で各職人さん達が自分の仕事を黙々とこなしていました。

工房内全景

組み立て作業場

CRISTIANO氏が一番に私に見せてくれたものは、フレーム耐久試験の機械で全てのフレームはプロトタイプの段階から、必ずこの機械で耐久性のチェックがなされているとの事。フレームは機能性よりもまずは耐久性の方が重要だというDE ROSAの理念に基づいた結果です。(これがDE ROSAのフレームで一番自慢できるできる事だと言われてました)

フレーム耐久テスト機

写真では分かりにくいですが、フロントフォークの先端部分には1秒間に100キロの力がかかるようになっているそうです。

次に接合される前のカーボンフレームの各チューブパーツを見せてもらいました。

フレーム用チューブ各パーツ

各チューブは同じカーボン製ですが、パーツによって仕入れ元は違うそうです。因みにダウンチューブの部分は日本が誇る東レ製との事でした。

フレームとダウンチューブパーツ

最初に各パーツはそれぞれ必要な長さにカットされます。そのパーツを接合する為に同じカーボンのテープを上から巻きつけてその上から一見セロテープに見える透明のテープで再度巻きます。

接合前フレーム

釜入れ前接合作業

ペタッと。

これを釜入れします

その後フレームは釜に入れられて熱処理されると巻いたカーボンのテープがパーツに溶け込み一体化され接合がなされます。(初めて見た&知識がないもので正直こうやってカーボンが接合されているのに驚きました)

釜入りされたフレームは丁寧に透明テープが剥ぎ取られその後やすりにて接合部分の表面を綺麗に磨き上げます。

釜入れ後フレーム

磨き上げ作業

そして接合されたフレームは塗装の為に一度外注工場に出され、完成品として又ここに戻ってくるという流れです。

又、接合段階から1本1本のフレームには販売先の名前が記されて完璧に生産管理がなされています。

DE ROSAがまるで干物のように・・・

CRISTIANO氏曰く、「DE ROSAは何も部外者に対して秘密にする事はないし、今回の森のように見たいという人がいたら喜んで見せてあげるよ。

ただ、見てもらって分かる通りあらゆる工程にも手を抜かずに常に良い物を追求している事は見ただけじゃ真似できないからね」

・・・納得!長年に亘って培われた技術と自信からにじみ出る言葉には、何事に代えがたい重みを感じさせますね。

ちなみに店舗ではオーダーメードも受け付けていて、生産期間は約75日との事です。

そんな中、ちょうど工房を見学をしている時に創設者のUGO氏がブラブラと工程チェックをしに来られたので記念に写真を一枚。

Ugo De Rosa氏

現在77歳になるUGO氏はさすがに今ではフレーム生産はしていないようですが、毎日チェックには来られているそうです。

UGO氏の奥さんは今でも現役で店舗での仕事と会社の管理関係の仕事を見ておられるようです。(写真に撮れませんでした、すみません)

最後に今後の自転車業界の展望をCRISTIANO氏に伺いました。

「自転車はこれからもどんどん需要が増えてくる業界である事は間違いないと思うんだが、各企業が安泰かと言うとそれは逆で、どんどん経営的には厳しくなってくると思うよ。

15年~20年くらい前まではブランド数も少なかったし、本当に良い物さえ供給すれば少々高くても売れてた時代なんだけど、今は世界中に色んなブランドが存在して良い物、そうで無い物、高い物、安い物が混在しているから消費者にとっては選択肢が多い分、供給側にとっては厳しい競争になる事は間違いないね。

特にアジア生産しているブランドとかと戦っていく為にはより良い物を供給する必要が有り、それなりに投資も必要となってくるし、その分コストもかかると言う事。ブランドのネームバリューに高品質、それに見合う適正プライスが合致して初めて消費者に認められるようになるという事だからこれまで以上に気を引き締めて行かなければと思ってるよ。

それとこれは愚痴になるけど、最近の通信技術のおかげでいつでもどこでも世界中と連絡がとれる事はすばらしい事だと思うけど、世界と商売していると時差の関係で24時間引っ切り無しにどこかの国からか連絡が入ってきて、全く気の休まる時がないのはさすがに閉口してきたよ。」

───大変貴重なお時間、お話、ありがとうございました!

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会社情報

DE ROSA s.r.l.

Via Bellini,24 20095 Cusano Milanino (MI) Italy

TEL. 02-6195171

サイト http://www.derosanews.com

国内サイト http://www.derosa.jp/

交通アクセス

ミラノ市内から地下鉄LINEA 1(ROSSA)にてSESTO RONDOまでそこから708番(BRESSO行き)のバスでVia Don Minzoni,26にて下車

そこから徒歩約15分